一人暮らしと高齢化社会
高齢化社会と一言で言い表されますが、
その内側をみると、
一人暮らしの高齢者世帯は増加の一途を辿っているようです。
なかでもここ数年、団塊世代の一人暮らし世帯が増えています。
実は、この「団塊の世代」を中心とした55~59歳の男性が自宅の火災で死亡するケースが全国で増えている傾向がみられます。
死者は「無職」「一人暮らし」の割合が高いことが消防庁のまとめでわかっています。
明確な理由は定かではないが、
わが国の高度経済成長を支えてきた世代がリストラに遭い、
家族と別居せざるをえなくなった、という生活の変化が背景にあるのではないか、
との見方がされているようです。
火事の特徴としては、
飲酒して寝ているうちに消したはずのたばこがくすぶって出火、
一人暮らしのため出火に気付かずに逃げ遅れ、煙を吸い込んで死亡、
というケースが際立っています。
また、北海道においても全国と同様の傾向です。
道防災消防課によると、05年の男性の死者は57人おり、
このうち56~60歳が全体の約4分の1の13人を占め、各年代の中で一番多いのです。
「無職で1人暮らし」という死者の特徴も共通しており、
同庁は「この年代の死亡率がなぜ高いのか、背景分析はできていない。あまり前向きでない人が多いのかもしれない。そんな心理状態が出火時に影響を及ぼしているのではないか」と推測をしているようです。
今後は各事例の分析を進め、
団塊世代の男性の死亡率がなぜ高いのか、解明したいと伝えられています。
あくまでも推測の域を脱しない話ではありますけれど、
何らかの社会的要因が影響しているのではないかという意見もまた多いのです。
この年代の男性はリストラや早期退職などを経験している人が多いのですが、
こうした経済的要因や精神的ストレス、希望の見えない世相などが、
例えば、乱雑な部屋での寝たばこや泥酔など、
間接的に火災を生みやすい生活要因、潜在的要因といっていいかもしれません。